認定農業者制度とは
認定農業者制度とは、農業経営を営む者又は営もうとする者(以下「農業経営者」という)が作成する農業経営改善計画書(5年後の農業経営の目標)の内容が、市町村が策定する農業経営基盤強化促進基本構想(以下「基本構想」という)に照らして適当と認められた場合に、その計画の認定を行うとともに、計画の実現のために支援を行っていく制度です。
農業経営改善計画の認定を受けた農業経営者を「認定農業者」と呼んでいます。
制度制定の経緯
1. 平成4年の新政策(「新しい食料・農業・農村政策の方向」)において、他産業並の年間労働時間と生涯所得を実現する「効率的・安定的な経営体」が生産の大宗を担うような農業構造を確立することを農業政策の目標として提示しました。
2. 認定農業者制度は、このような農業構造を実現するため、平成5年に制定された農業経営基盤強化促進法により、旧農用地利用増進法の農業経営規模拡大計画の認定制度を拡充し、農業者が作成する農業経営の規模拡大、生産方式・経営管理の合理化、農業従事の改善等農業経営の改善を図るための計画(農業経営改善計画)を市町村の基本構想に照らして、市町村が認定する制度として創設されたものです。
認定農業者になるには
◯ 性別
男性、女性の別は問いません。また、家族経営協定を結び、経営に参加している女性農業者などの方もパートナーとともに認定の対象となります。
◯ 年齢
この制度では年齢制限は設けられていませんが、市町村が地域の担い手の状況を踏まえて運用しています。
◯ 専業・兼業別
兼業農家やこれから新規に就農しようとする方でも、市町村基本構想で示された農業経営をめざす方であれば認定農対象となります。
◯ 経営類型
水稲、麦、露地野菜等の土地利用型農業はもちろん、農地を持たない畜産経営や野菜等の施設園芸、菌床椎茸栽培なども認定の対象となります。
◯ 経営規模等
経営規模や所得が小さい農家でも、一定の収入が得られる農業経営をめざす場合は認定の対象となります。
◯ 法人経営
農業経営を営む法人であれば、農業生産法人であるなしに関わらず認定の対象となります。集落営農についても法人化すれば認定の対象となります。
認定の手続き
認定を受けようとする農業者は、以下の事項について5年後の目標とその達成のための取り組み内容を記載した農業経営改善計画書を作成して、農業経 営を営んでいる市町村に次のような内容を記載した「農業経営改善計画書」を提出してください。
◯ 農業経営改善計画書に記載する内容
- 農業経営の現状
- 経営規模の拡大に関する目標(作付面積、飼養頭数、作業受託面積)
- 生産方式の合理化の目標(機械・施設の導入、ほ場連担化、新技術の導入等)
- 経営管理の合理化の目標(複式簿記での記帳等)
- 農業従事の態様等の改善の目標(休日制の導入等)
- 目標を達成するためにとるべき措置 等
認定基準
◯ 市町村による農業経営改善計画の認定を受けるための要件
農業経営改善計画書の提出を受けた市町村で、その内容が以下の基準等に照らして審査を行い、適当と認められる場合には計画の認定を行います。
- 計画が市町村基本構想に照らして適切なものであること。
- 計画が農用地の効率的かつ総合的な利用を図るために適切なものであること。
- 計画の達成される見込みが確実であること。
◯ 認定の取り消し
認定後において農業経営改善計画に従って農業経営を改善するためにとるべき措置を講じていないと認められるときは、認定を取り消す場合があります。